コラム|空き家

相続した空き家を放置するとどうなるか。
リスクと4つの選択肢

親から実家を相続したものの、忙しさや気持ちの整理がつかないまま、何年か経ってしまった——。そういう方は、実はとても多くいらっしゃいます。決して珍しいことでも、責められることでもありません。ただ、結論から申し上げると、空き家をそのままにしておくことには具体的なリスクがあります。そして、選択肢はひとつではなく複数あります。この記事では、その全体像を隠さずお伝えします。

2026年7月21日|縁リアルエステート株式会社

空き家を放置すると何が起きるか

まず、空き家をそのままにしておくと何が起きるのかを、順番にご説明します。怖がらせるためではなく、判断の材料にしていただくための事実です。

1つ目は、維持費が毎年かかり続けることです。誰も住んでいなくても、固定資産税は毎年課税されます。火災保険料や、草刈り・見回りにかかる費用や手間も続きます。「使っていないのに、お金だけ出ていく」状態が、放置している限り終わりません。

2つ目は、建物の傷みが加速することです。意外に思われるかもしれませんが、家は人が住まなくなると傷みが早くなります。たとえるなら、毎日乗っていた車を何年も車庫に置きっぱなしにするようなものです。動かさない車のほうが早く不調になるのと同じで、換気されない家は湿気がこもり、カビや木材の腐食、雨漏りの発見の遅れが重なって、老朽化が一気に進みます。傷みが進むほど、売るにも貸すにも直すにも、選択肢は狭くなっていきます。

3つ目は、ご近所への影響です。庭の草木が伸びて隣家に越境したり、害虫や小動物のすみかになったり、放火や不法侵入といった防犯面の心配が生じたりします。遠方にお住まいだと気づきにくく、ご近所からの連絡で初めて知る、というケースも少なくありません。

4つ目は、「特定空家」に指定される可能性です。

「特定空家」とは

空家等対策特別措置法という法律に基づき、倒壊の恐れがある、衛生上問題があるなど、周囲に悪影響を及ぼす状態の空き家を、市区町村が指定する制度です。指定されて「勧告」を受けると、固定資産税が安くなる仕組み(住宅用地の特例)の対象から外れ、税負担が大きく増える場合があります。また、行政から修繕や撤去などの改善を求められます。すぐに該当するわけではありませんが、放置が長引くほど近づいていく、と考えていただくとよいと思います。

まとめると、放置は「現状維持」ではありません。費用は出続け、建物の価値は下がり続ける——時間が経つほど不利になっていく、というのが実際のところです。

選択肢は4つ

方法1:自分で使う・人に貸す

ご自身やご家族が住む、別荘的に使う、あるいは賃貸に出して家賃収入を得る方法です。

  • 長所:家を手放さずに済み、貸せれば収入にもなります。思い出のある実家を残せることも大きな利点です。
  • 短所:人に貸せる状態にするには、修繕やリフォームの費用がかかるのが一般的です。貸した後も、大家として管理や入居者対応の責任が続きます。借り手が付く立地かどうかの見極めも必要です。

方法2:解体して土地として売る

古い建物を取り壊し、更地(さらち。建物のない土地)にして売る方法です。

  • 長所:建物が古い場合、土地だけのほうが買い手を見つけやすくなることがあります。
  • 短所:解体費用は所有者の負担で、木造住宅でも百万円単位になるのが一般的です。また、正直に申し上げると、建物を壊して更地にすると住宅用地の特例から外れ、固定資産税が上がる場合があります。売れるまでの間、高くなった税金を払い続けることになりかねません。税金の扱いは土地ごとに異なりますので、くわしくは税理士や市区町村の窓口にご確認ください。

方法3:仲介で売りに出す

不動産会社に買主探しを依頼し、個人の買主に売る、いちばん一般的な売り方です。

  • 長所:買主が見つかれば、市場の相場に近い価格で売れる可能性があります。
  • 短所:いつ売れるかは分かりません。売れるまで維持費はかかり続けます。また、内覧のたびの立ち会いや家財の片付けなど、売主側の手間が発生します。遠方にお住まいの場合、この手間が大きな負担になりがちです。古い家は、そのままでは買い手が付きにくいこともあります。

方法4:買取会社に直接売る

空き家を専門に買い取る会社に、直接売却する方法です。当社もこの方法の会社です。

  • 長所:買主を探す期間がないため、早ければ数週間で現金化できます。老朽化していても、残置物(家具や家財が残ったままの状態)でも、原則そのままの状態で引き渡せます。片付けや修繕にご自身で費用をかける必要が基本的にありません。
  • 短所:正直に申し上げると、価格は仲介で買主が見つかった場合より低くなるのが一般的です。会社が修繕・片付け・再販売の費用とリスクを引き受けるためです。

どの選択肢が向いているか

たとえるなら、方法1は「家を育て直す」、方法2と3は「時間と手間をかけて良い相手を待つ釣り」、方法4は「今日この場で引き取ってもらう持ち込み」です。

時間と費用をかけられて、立地に恵まれているなら、貸す・仲介で売るという方法で高い価格を目指す価値があります。一方、遠方で管理に通えない、片付けが体力的に負担、維持費の出費を早く終わらせたい、という方には、買取が現実的な選択肢になります。

大切なのは、ご自身の状況(急ぎか、待てるか。手間と費用をかけられるか)に合わせて選ぶことです。どの方法にも長所と短所があり、「誰にとってもこれが正解」というものはありません。

まとめ

  • 空き家の放置は「現状維持」ではなく、維持費が出続け、建物の価値が下がり続ける状態です。状態によっては「特定空家」に指定され、税負担が増える場合もあります。
  • 選択肢は主に4つ。自分で使う・貸す、解体して土地として売る、仲介で売る、買取会社に直接売る、です。
  • 早く確実に手放したい、遠方で片付けが負担、という場合は、買取が現実的な選択肢になります。

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公開日:2026年7月21日

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