コラム|空き家
空き家の固定資産税が6倍になるのはいつ?
「管理不全空き家」の基準をやさしく解説
「空き家を放置すると固定資産税が6倍になるらしい」——ニュースやネットでそう聞いて、不安になった方も多いと思います。ただ、結論から言うと、空き家にした瞬間に自動で6倍になるわけではありません。何が基準で、どういう流れを経て上がるのか。正確なところを、順を追ってお伝えします。
2026年8月2日|縁リアルエステート株式会社
なぜ「6倍」と言われるのか
住宅が建っている土地には、「住宅用地の特例」という制度があり、固定資産税が最大6分の1に軽減されています。この特例が外れると、単純計算で税額は元の水準(最大6倍)に戻ります。「6倍になる」という表現は、この特例が外れることを指しています。つまり、税金が新たに上乗せされるのではなく、今まで受けていた軽減がなくなる、というのが正確な理解です。
「特定空家」と「管理不全空き家」の違い
この特例が外れる引き金になるのが、市区町村による指定です。指定には2種類あります。
特定空家
倒壊のおそれがある、衛生上有害であるなど、すでに周囲に具体的な悪影響を及ぼしている状態の空き家。以前からある区分です。
管理不全空き家
2023年12月施行の法改正で新しくできた区分です。特定空家ほど深刻ではなくても、「このまま放置すればいずれ特定空家になる」と市区町村が判断した空き家が対象になります。庭木が伸び放題、窓が破損している、換気や通水がされていない状態などが目安とされています。この区分ができたことで、より早い段階で行政の指導対象になりやすくなりました。
実際に6倍になるまでの流れ
指定されたら即座に税額が上がるわけでもありません。一般的な流れはこうです。
- 1. 市区町村による現地調査・所有者への助言や指導
- 2. 改善されない場合、「勧告」が出される
- 3. 勧告を受けた翌年度から、住宅用地の特例が外れる(固定資産税が上がる)
つまり、空き家を数年放置している方すべてが対象になるわけではなく、行政からの助言・指導を経て、それでも状態が改善されなかった場合に限られます。ただし、たとえるなら「車検切れの通知を無視し続ける」ようなもので、連絡や指導を放置する期間が長くなるほど、次の段階に進みやすくなります。「まだ勧告が来ていないから大丈夫」と先延ばしにできる話ではない、というのが実際のところです。
6倍になる前にできること
税額が上がってから動くよりも、指導の段階、あるいはそれより前に判断するほうが、選択肢は多く残っています。具体的には、庭木の剪定や簡単な修繕で「管理不全」の指定を避ける、あるいは維持し続けるコストと手間を踏まえたうえで、早めに手放す判断をする、という2つの方向があります。
管理を続ける体力・費用がない、遠方で見に行けない、という場合は、税額が上がる前に売却の判断をしたほうが、結果的に手元に残る金額が多くなるケースも少なくありません。放置している時間そのものが、コストになっているためです。
まとめ
- 「6倍」は新たな増税ではなく、住宅用地の特例(最大6分の1軽減)が外れることを指す。
- 2023年の法改正で「管理不全空き家」という区分ができ、より早い段階から行政の指導対象になりやすくなった。
- 指定→助言・指導→勧告、を経て翌年度から税額が上がる。放置期間が長いほど次の段階に進みやすい。
- 税額が上がる前に判断するほうが、選択肢は多く残っている。
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公開日:2026年8月2日
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