コラム|共有持分
他の共有者と連絡が取れない。
共有名義の不動産をどうするか。
相続で兄弟の共有名義になった実家。何年も前に音信不通になった親族。売りたくても、貸したくても、話をする相手がいない——そうしたご相談をいただきます。連絡が取れないまま、放っておくとどうなるのか。そして、それでも動かす方法はあるのか。順を追ってご説明します。なお、共有者間の争いが生じている場合の交渉や手続きの代理は弁護士の業務であり、当社が行うことはできません。
2026年8月14日|縁リアルエステート株式会社
連絡が取れないと、何ができなくなるのか
共有名義の不動産では、やろうとすることによって必要な同意の範囲が変わります。ここを整理すると、何に困っているのかがはっきりします。
全員の同意が必要なこと
不動産そのものを売る。建物を取り壊す。大規模な改築をする。つまり、物件の形を変えたり手放したりする行為です。一人でも欠けると進められません。
持分の過半数で決められること
誰かに貸す(一定の期間まで)、修繕をする、といった管理にあたる行為です。全員でなくてもよい代わりに、持分の割合で過半数が必要になります。
一人でできること
自分の持分だけを売る。これは他の共有者の同意なしにできます。保存にあたる修繕(雨漏りを止めるなど)も単独で可能です。
つまり、連絡が取れない共有者がいると「物件全体を売る」ができなくなるのが最大の問題です。逆にいえば、自分の持分だけであれば動かせます。
まず、所在を調べる方法があります
「連絡が取れない」といっても、本当に行方が分からないのか、こちらが連絡先を知らないだけなのかで話が違います。次の順で調べられます。
- 戸籍をたどる。相続に関する場合、戸籍の附票をたどることで住所の履歴が分かることがあります。相続人であれば取得できます
- 登記簿を見る。共有者の住所が登記されています。古い住所のままのことも多いですが、出発点になります
- 専門家に依頼する。戸籍の収集は行政書士や司法書士に依頼できます。手間を考えると、頼んだほうが早い場合があります
この段階で見つかることは、実際少なくありません。「もう何年も会っていない」と「所在が分からない」は違います。
それでも見つからない場合
所在が本当に分からない場合、法律上の手続きがいくつか用意されています。いずれも裁判所が関わる手続きで、弁護士や司法書士への相談が必要です。当社が代理することはできませんので、制度の存在をお伝えするにとどめます。
不在者財産管理人の選任
行方が分からない人の財産を管理する人を、家庭裁判所に選んでもらう制度です。選ばれた管理人が、裁判所の許可を得て代わりに手続きを進められる場合があります。
所在等不明共有者の持分の取得・譲渡(2023年4月から)
民法の改正により、所在が分からない共有者がいる場合に、裁判所の決定を得てその持分を取得したり、第三者へ譲渡したりできる制度が設けられました。従来は行き詰まっていたケースに道ができています。ただし要件があり、供託などの手続きも伴いますので、専門家にご確認ください。
共有物分割請求
共有関係そのものを解消するよう求める手続きです。話し合いがまとまらなければ、最終的に裁判になります。時間と費用がかかるため、他の方法を検討したうえでの選択肢になります。
自分の持分だけを売る、という選択
他の共有者の同意がなくても、ご自身の持分だけであれば売却できます。これは法律で認められた権利です。連絡が取れない相手を待ち続けるのではなく、自分だけ先に抜ける、という考え方です。
ただし、正直にお伝えしておくべきことがあります。持分だけの売却は、不動産全体を売る場合の持分相当額より、金額が低くなるのが一般的です。買う側は、その後に他の共有者と話をつける必要があり、その手間とリスクを引き受けるためです。
また、持分を売ると、他の共有者にとっては見知らぬ相手が共有者になるということでもあります。ご親族との関係をどうしたいかも含めて、判断していただく話です。当社は「早く売りましょう」とは申し上げません。
放っておくと、どうなるか
- 相続が重なって、共有者が増えていきます。共有者の一人が亡くなると、その持分がさらに複数の相続人に分かれます。5人が10人になり、20人になる。会ったこともない親族と共有している、という状態になります
- 固定資産税はかかり続けます。使っていなくても、共有者の誰かが払い続けることになります
- 建物は古くなります。誰も管理しなければ傷みが進み、いずれ近隣への責任が問われることもあります
- 相続登記が義務になりました。2024年4月から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記申請が義務づけられ、正当な理由なく怠ると過料の対象となります
時間が解決してくれる問題ではなく、時間が経つほど関係者が増えて難しくなるのが共有の特徴です。
よくあるご質問
他の共有者に知られずに、自分の持分を売れますか。
法律上、持分の売却に他の共有者の同意は不要です。ただし所有権が移れば登記に反映され、いずれ知られることにはなります。「同意が要らない」ことと「永久に知られない」ことは別ですので、正直にお伝えしておきます。
共有者と揉めています。間に入ってもらえますか。
当社が代理人として交渉することはできません。共有者間の紛争の代理は弁護士の業務です。ご自身の持分の売却についてはご相談いただけますので、そこは分けてお考えください。
持分が少ししかありません。それでも相談できますか。
割合の大小でお断りすることはありません。ただし持分の割合や物件の状況によってはお引き受けできない場合もあります。その際は理由をお伝えします。
相続登記がまだ済んでいません。先に済ませるべきですか。
売却の前提として必要になりますが、先にすべて済ませてからご相談いただく必要はありません。何がどの順番で必要かを整理してお伝えします。
対応しているエリアはどこですか。
共有持分の買取は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県を対象としています。
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公開日:2026年8月14日
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