コラム|共有持分

共有物分割請求とは。
持分を売られたら、何が起きるか。

「兄弟の一人が、自分の持分を知らない会社に売ってしまった」。あるいは「自分の持分を売ったら、残った家族に迷惑がかかるのではないか」。どちらの立場からもご相談をいただきます。共有持分は他の共有者の同意なく売れるため、こうしたことが実際に起こります。その後に何が起きるのかを、事実に沿ってご説明します。なお、紛争が生じている場合の代理・交渉は弁護士の業務であり、当社が行うことはできません。

2026年8月14日|縁リアルエステート株式会社

まず、持分は単独で売れます

意外に思われるかもしれませんが、共有持分は、他の共有者の同意がなくても売却できます。これは法律で認められた権利です。「勝手に売られた」と感じても、それ自体が違法というわけではありません。

逆にいえば、ご自身の持分も同意なく売れるということです。話し合いがまとまらないとき、この点が突破口になることもあります。

持分を買った第三者は、何ができるのか

買った側は共有者の一人になります。そこでできることは、法律上、他の共有者と同じです。ただし実際には、次のような動きになることが多いとされています。

  • 他の共有者に、持分の買い取りを持ちかける。「あなたの持分も売ってください」あるいは「私の持分を買い取ってください」という話です
  • 共有物分割請求をする。共有関係を解消するよう求める手続きです。次で説明します
  • 物件を使っている共有者に、使用料を求める。共有物を一人が独占して使っている場合、持分に応じた対価を請求されることがあります

「いきなり住んでいる家を出ていけと言われるのか」と心配される方がいますが、持分を買っただけで直ちに明け渡しを求められるわけではありません。ただし話し合いや手続きを通じて、最終的に物件を手放す結果になることはあります。

共有物分割請求とは

共有者は、いつでも共有関係の解消を求めることができます。これが共有物分割請求です。まず話し合い(協議)から始まり、まとまらなければ裁判所の手続きに進みます。分け方は主に3つです。

1. 現物分割

土地を実際に分ける方法です。分けても使える広さが残る場合に限られます。建物は物理的に分けられないため、この方法は取れません。

2. 代償分割(賠償分割)

共有者の一人が物件を取得し、他の共有者にその持分相当のお金を支払う方法です。取得する側に資力があることが前提になります。

3. 換価分割(競売)

物件を売却して、代金を持分に応じて分ける方法です。話し合いがまとまらず、他の方法も取れない場合、裁判所の手続きで競売にかけられることがあります。競売では市場価格より低い金額になることが多く、結果として全員にとって不利になりがちです。

つまり、行き着く先として最も避けたいのが競売です。だからこそ、その手前で手を打つ意味があります。

訴訟になる前に、できること

  • 他の共有者の持分を買い取る。資金が必要ですが、単独所有になれば問題は解消します
  • 全員で合意して、物件ごと売却する。持分ごとに売るより高くなるのが一般的で、全員にとって条件が良くなります。ただし全員の同意が要ります
  • 自分の持分を売って、共有から抜ける。話し合いに参加し続ける負担から離れられます。金額は全体売却の持分相当額より低くなるのが一般的です
  • 弁護士に相談する。すでに請求を受けている、話し合いが対立している、という段階であれば、これが最優先です

どれを選ぶべきかは、ご家族との関係、資力、物件の状況によって変わります。当社は「持分を売りましょう」と誘導することはいたしません。全体で売ったほうが良い場合は、そのように申し上げます。

当社にできること、できないこと

はっきり分けてお伝えします。

  • できること:ご自身の持分の買取。物件全体を売却される場合の買取。現在の状況を整理して、選択肢と見通しをご説明すること
  • できないこと:共有者間の交渉の代理。訴訟の代理。法律相談としての回答。これらは弁護士の業務です。提携する専門家をご紹介できる場合があります

「うちが全部まとめます」と言う会社があれば、その線引きがどうなっているかを確認してください。弁護士でない者が報酬を得て法律事務を扱うことは、法律で禁じられています。

よくあるご質問

兄弟が持分を業者に売ってしまいました。家を追い出されますか。

持分を買われただけで直ちに明け渡しを求められるわけではありません。ただし今後、買い取りの打診や共有物分割請求を受ける可能性はあります。請求を受けている段階であれば、弁護士にご相談ください。

競売になったら、いくらくらいになりますか。

金額は物件によって大きく異なり、相場という形ではお答えできません。一般には市場での売却より低くなる傾向があるとされています。そうなる前に選択肢を検討されることをおすすめします。

自分の持分を売ると、家族に迷惑がかかりますか。

見知らぬ相手が共有者になるという意味では、影響はあります。そこも含めてご判断いただく話ですので、当社から急かすことはいたしません。全員で売却したほうが良いと判断される場合は、そのようにお伝えします。

弁護士を紹介してもらえますか。

ご相談の内容によっては、提携する専門家をご紹介できる場合があります。まずは状況をお聞かせください。

→ 共有持分・複雑な権利の解消について、くわしくはこちら
→ 他の共有者と連絡が取れない。どうすればよいか
→ 共有名義の不動産が売れない。話がまとまらないときの解決方法

公開日:2026年8月14日

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代表取締役 宮本隆太郎

このページの監修者

宮本 隆太郎縁リアルエステート株式会社 代表取締役

宅地建物取引業 東京都知事(1)第112660号/東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー27F。再建築不可・空き家・訳あり物件・共有持分など、売りづらい不動産の直接買取を専門としています。ご相談・査定は無料です。

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