コラム|共有持分

共有名義の不動産が売れない。
話がまとまらないときの解決方法

相続した実家が、兄弟姉妹との共有名義になっている。売りたい人、住み続けたい人、そのままにしたい人——それぞれの事情があって話がまとまらず、何年も動けない。そんなお悩みをよく伺います。結論から申し上げると、全員の同意がなくても、ご自身の持分だけなら動かせる場合があります。この記事では、共有名義の基本ルールと、放置した場合に起きること、そして3つの解決方法を隠さずお伝えします。

2026年7月21日|縁リアルエステート株式会社

共有名義の基本ルール

まず、なぜ共有名義の不動産は売りにくいのか。その前提となる仕組みをご説明します。

「共有持分」とは

ひとつの不動産を、複数の人で持ち合っている割合のことです。たとえば兄弟3人で相続すれば「3分の1ずつ」といった形になります。たとえるなら、一枚のピザを兄弟で分け合っているものの、切り分けて別々に持ち帰ることはできない状態です。「この部屋は兄のもの、この庭は弟のもの」と場所で分かれているわけではなく、不動産全体に対して権利の割合を持ち合っています。

この共有名義には、押さえておきたい基本ルールが2つあります。

  • ルール1:不動産全体を売るには、共有者全員の同意が必要です。ひとりでも反対する人がいれば、家や土地をまるごと売ることはできません。「話がまとまらないと売れない」と言われるのは、このためです。
  • ルール2:自分の持分だけなら、他の共有者の同意がなくても売却できます。持分はご自身の財産ですので、法律上、ご自身の判断で売ることが認められています。意外と知られていませんが、ここが解決の糸口になる場合があります。

放置するとどうなるか

「話がまとまらないなら、そのままにしておこう」と考えたくなるお気持ちは、よく分かります。ただ、共有名義の放置には、時間がたつほど重くなりやすい問題が3つあります。

  • 共有者の人数が増えていきます。共有者のどなたかが亡くなると、その持分はさらにお子さんやお孫さんへ相続されます。兄弟3人で始まった共有が、いつの間にか、いとこ・甥・姪を含む10人以上になっていた——というのは珍しい話ではありません。ねずみ算のように関係者が増えるほど、全員の同意はいっそう難しくなります。
  • 固定資産税の不公平が続きます。固定資産税は、共有者全員が連帯して納める義務を負います。実際には代表のおひとりが立て替えて払い続けているご家庭が多く、「自分ばかりが負担している」という不公平感が積み重なっていきます。
  • ご親族の関係が悪化しやすくなります。お金と実家が絡む話し合いは、先送りするほど感情のもつれが深くなりがちです。「顔を合わせるたびに気まずい」という状態が何年も続いてしまうこともあります。

放置しても、問題がひとりでに解決することは、残念ながらあまり期待できません。

解決方法は3つ

方法1:共有者同士の話し合いで解決する

どなたかが他の共有者の持分を買い取ってひとりの名義にする、あるいは全員で足並みをそろえて売却し、代金を持分に応じて分ける方法です。

  • 長所:もっとも円満な解決方法です。不動産全体として売れるため、相場に近い価格になりやすいのも利点です。
  • 短所:そもそも「話がまとまらないから困っている」という方が多いのが実情です。連絡が取れない共有者がいる場合や、感情的な対立がある場合には、進めるのが難しいことがあります。

方法2:共有物分割請求という法的手続き

話し合いで解決しない場合、裁判所を通じて共有状態の解消を求める「共有物分割請求」という制度があります。土地を分ける、どなたかが買い取る、競売にかけて代金を分ける、といった形で決着をつける仕組みです。

  • 長所:話し合いが完全に行き詰まっていても、最終的には共有状態を解消できる道筋があります。
  • 短所:解決までに時間と費用がかかるのが一般的です。また、裁判所を通す手続きですので、ご親族との関係がさらに悪化してしまうおそれもあります。

この手続きは法律の専門的な判断を要しますので、具体的な進め方については、弁護士等の専門家にご相談ください。当社が法的な紛争の解決を代理することはできませんが、必要に応じて専門家と連携しながらお話を伺うことは可能です。

方法3:自分の持分だけを専門会社に売却する

基本ルール2でお伝えしたとおり、ご自身の持分は、他の共有者の同意がなくても売却できます。共有持分を専門に買い取る会社に、ご自身の持分だけを売る方法です。当社もこの方法の会社です。

  • 長所:他の共有者の同意が要らないため、話し合いがまとまらなくても進められます。早く現金化でき、固定資産税の負担や気の重い話し合いから抜けられます。
  • 短所:正直に申し上げると、持分だけの買取価格は、不動産全体を売って持分どおりに分けた場合の取り分より低くなるのが一般的です。持分だけでは買い手が使い道を限られるためです。また、売却後は買取会社が新しい共有者となり、他の共有者の方と協議を進めていくことになります。この点も含めてご検討ください。

どの方法が向いているか

まだ話し合いの余地があるなら、方法1から検討するのが基本です。円満で、経済的にも有利になりやすいためです。一方、「もう何年も話が進んでいない」「連絡すら取りづらい」「これ以上関わり続けるのがつらい」という場合には、ご自身の判断だけで進められる方法3が現実的な選択肢になります。法的にきちんと決着をつけたい場合は、方法2について弁護士等にご相談ください。

大切なのは、ご自身の状況(話し合えるか、急ぐか、関係から抜けたいか)に合わせて選ぶことです。どの方法にも長所と短所があり、「誰にとってもこれが正解」というものはありません。

まとめ

  • 不動産全体を売るには共有者全員の同意が必要ですが、ご自身の持分だけなら同意なしで売却できます。
  • 放置すると、相続で共有者が増え、固定資産税の不公平や関係悪化が積み重なりやすくなります。
  • 解決方法は、話し合い・法的手続き・持分のみの売却の3つ。状況に合わせた選択が大切です。

当社は、共有持分のみの買取にも対応しています。査定は無料で、他の共有者の方への配慮ある対応を心がけ、ご相談内容は秘密厳守いたします。査定額にご納得いただけなければ、お断りいただいてまったく問題ありません。話し合いなど他の方法が向いていると判断した場合は、その旨も正直にお伝えします。

→ 共有持分・複雑な権利の解消について、くわしくはこちら

公開日:2026年7月21日

「うちの場合はどうだろう」と思ったら

まず、持分がいくらになるかだけ確かめてみませんか。

電話で相談 無料査定