コラム|再建築不可
再建築不可の買取を断られた方へ。
なぜ拒否されるのか、次に何ができるか。
一般の不動産会社に断られ、次に「買取専門」を掲げる会社に相談したのに、そこでも断られてしまった。ここまで来ると、「もうどうにもならないのではないか」と思われるのが自然だと思います。ただ、断られた理由が分かれば、次の手が見えることがあります。私たちも買取をしている会社で、正直に申し上げるとお断りすることもあります。だからこそ、どういうときに断るのかを包み隠さず書きます。
2026年8月14日|縁リアルエステート株式会社
買取業者が断るのは、値段の問題ではないことが多い
「安くていいから買ってほしい」とおっしゃる方がいます。ところが、金額を下げても話が進まないことがある。これは、買取業者が断る理由の多くが、価格ではなく“出口がない”ことにあるからです。
買取業者は、買った物件を最終的に誰かに引き継ぎます。直して貸す、隣の方に売る、条件を整えて再販する。この出口が一つも描けないとき、いくら安くても買えません。タダでもらっても、固定資産税と管理の責任だけが残るからです。
ですので、断られたときに聞くべきは「もっと安くしたらどうですか」ではなく、「何が引っかかったのですか」です。
断られる物件に多い、5つの条件
1. 通路の通行・掘削の承諾が取れない
私道や共有の通路を通って出入りする土地で、その持ち主から「通ってよい」「水道管を通すために掘ってよい」という承諾が得られない場合です。承諾がないと、水道やガスの工事ができません。つまり住める状態にできない。これは最も多い理由のひとつです。
2. 権利関係が整理されていない
相続登記が済んでいない、共有者の一部と連絡が取れない、抵当権が残ったまま、といった状態です。売買の手続きそのものが進められないため、物件の良し悪し以前に断られます。
3. 隣地との間に争いがある
境界が確定していない、塀や屋根が越境している、以前から近隣と揉めている。買った後にその争いを引き継ぐことになるため、慎重にならざるを得ません。
4. 建物が使えず、しかも解体もできない
傷みが激しくて住める状態ではない、けれども車も重機も入らないので解体費が跳ね上がる。再建築不可では、壊した後に建てられないため、解体は原則として選択肢になりません。建物が使えないと、行き先がなくなります。
5. その地域に、そもそも需要がない
直して貸すにしても借り手が見込めない、隣の方も買い足す意思がない。都心から離れるほど、この理由が増えます。
断られた後に、確認していただきたいこと
順番に確認すると、状況がはっきりします。どれも費用はかかりません。
- 断った会社に、理由を具体的に聞く。「うちでは扱えない」で終わらせず、上の5つのどれに当たるのかを聞いてください。答えられない会社なら、ちゃんと調べていない可能性があります
- 本当に再建築不可なのかを、役所で確かめる。市区町村の建築を担当する窓口で、前面道路の種別と接道の状況を確認できます。人づてに聞いただけ、という段階のまま何年も過ぎているケースは珍しくありません
- 隣の土地の所有者を確認する。隣地と一体にすれば建てられるようになる場合、評価がまったく変わります。同じご家族が隣も所有している、というケースもあります
- 通路の持ち主と、承諾の有無を確認する。承諾が書面で取れるかどうかで、結論が変わることがあります
- 登記の状況を確認する。相続登記が済んでいない場合、まずそこからです
当社も、お断りすることがあります
「どんな物件でも買います」とは申し上げません。上に挙げた条件が重なっていて、どう考えても出口が描けない場合、お引き受けできないという結論になります。
ただ、お断りするときは、なぜ断るのかを必ずお伝えします。「うちでは無理です」だけで終わらせません。理由が分かれば、承諾を取りに行く、登記を整える、隣の方に話をしてみる、といった次の手が見えることがあるからです。それで条件が変われば、改めてご相談いただけます。
断られ続けた方ほど、「また断られるのでは」と身構えていらっしゃいます。無理なものは無理と申し上げますが、その理由まで含めてお話しするのが、私たちの仕事だと考えています。
断られても、道が残っていることがあります
- 隣の方に買っていただく。隣地と一体になれば接道条件を満たせる場合、隣の方にとっては土地の価値が上がる話になります
- 建築基準法第43条の許可・認定を調べる。すべての土地で使える制度ではありませんが、これが通れば再建築できる可能性があります。役所で相談できます
- セットバックで条件を満たせないか調べる。道路の幅が4mに満たない場合、敷地を後退させることで建築できるようになるケースがあります
- 相続放棄や国庫帰属という選択肢。売却ではありませんが、要件を満たせば手放せる制度があります。ただし条件が厳しく、専門家への相談が必要です
どれも「必ずできる」ものではありません。物件ごとの調査が要ります。ただ、調べずに諦めてしまうのは、もったいないとは申し上げておきます。
よくあるご質問
買取業者に断られました。もう売れないということですか。
そうとは限りません。断る理由は会社によって違います。ある会社が扱えなくても、別の会社なら出口を描ける場合があります。まず、なぜ断られたのかを具体的に確認してください。
値段を下げれば買ってもらえますか。
価格が理由で断られたのであれば、その可能性はあります。ただ、断られる理由の多くは価格ではなく「買った後の行き先がない」ことです。その場合、安くしても結論は変わりません。
「タダでいいから引き取ってほしい」でも断られますか。
あります。所有すると固定資産税と管理の責任が発生するため、行き先が描けない物件は無償でもお引き受けできないことがあります。冷たく聞こえるかもしれませんが、正直にお伝えしています。
御社なら買ってもらえますか。
確認しなければお答えできません。お引き受けできない場合もあります。ただ、その際は理由をお伝えします。まずは所在地と、これまでどこにどう断られたかをお聞かせください。
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公開日:2026年8月14日
断られた理由が分かれば、次の手が見えることがあります
まず、状況をお聞かせいただけませんか。