コラム|再建築不可

「建て替えができない」と言われた土地は、
売れるのか。

役所の窓口で、あるいは不動産会社で、「この土地は建て替えができません」と言われた。そこで話が止まってしまった、という方は少なくありません。まず申し上げたいのは、建て替えができないことと、売れないことは同じではないということです。なぜそう言われるのか、今の建物はどうなるのか、売る方法はあるのか。順を追ってお伝えします。

2026年8月12日|縁リアルエステート株式会社

「建て替えができない」とは、どういう状態か

不動産の世界では、この状態を「再建築不可」と呼びます。役所や不動産会社が使うのはこの言葉ですが、意味は「今建っている建物を取り壊すと、そこに新しい建物を建てられない」ということです。難しい制度の話に聞こえますが、原因のほとんどは土地と道路の関係ひとつに集約されます。

建築基準法では、建物を建てる土地は「幅4メートル以上の道路に、2メートル以上接していなければならない」と決まっています。これを接道義務といいます。火事のときに消防車が入れるか、逃げられるか、という安全のための決まりです。この条件を満たしていない土地には、新しい建物を建てる許可が下りません。だから「建て替えができない」と言われるのです。

よくある4つのパターン

実際にご相談をいただくのは、次のいずれかであることがほとんどです。

1. 道路にまったく接していない(未接道)

周りを他人の土地に囲まれていて、道路に出るのに隣の敷地を通らせてもらっている、というケースです。昔からの通行の慣習で不自由なく暮らせていても、法律上は接道していない扱いになります。

2. 接している幅が2メートルに足りない

「うちは道に面しているのに、なぜ」という方に多いのがこれです。接している長さが1.8メートル、1.5メートルといった具合に、わずかに足りていない。土地を分けて相続した際に生じることがあります。

3. 前の道が「建築基準法上の道路」ではない

見た目は道路でも、法律上は道路として扱われていない通路(いわゆる位置指定を受けていない私道や通路)である場合があります。この場合、何メートル接していても接道義務は満たしません。

4. 旗竿地で、通路の幅や長さが基準を満たさない

入口が細長く、奥に敷地が広がっている土地です。入口部分が2メートルあっても、その通路が長い場合、自治体の条例でより広い幅(たとえば3メートル)が求められることがあります。この条例は自治体ごとに違うため、隣の市では通ったのにこちらでは通らない、ということが起こります。

今住んでいる家は、どうなるのか

「建て替えができない」と聞くと、今の家にも住めなくなるのかと不安になる方がいらっしゃいますが、そうではありません。今建っている建物に住み続けることはできます。また、建物の規模や工事の内容によっては、リフォームや修繕ができる場合もあります(どこまでできるかは建物と工事内容によって変わるため、事前に確認が必要です)。

できないのは、あくまで「一度壊して、新しく建て直すこと」です。ですから、住み続ける分にはすぐに困らない。これが、この問題を先送りにしやすい理由でもあります。

そのままにしておくと、何が起きるか

急いで手放すべきだ、と申し上げるつもりはありません。ただ、時間の経過とともに起きることは、正直にお伝えしておきます。

  • 固定資産税は、建て替えができなくてもかかり続けます。使っていない土地でも同じです。
  • 建物は古くなっていきます。建て替えができないため、古くなった建物をそのまま維持するしかありません。傷みが進むほど、買い手にとっての価値は下がっていきます。
  • 相続で、次の世代に引き継がれます。今の持ち主が判断しなかった場合、その土地はお子さんやお孫さんに引き継がれます。人数が増えるほど話はまとまりにくくなり、共有名義になると、さらに動かしづらくなります。

売る方法は、4つあります

1. お隣の方に買っていただく

隣の土地と一体になれば、道路に接する幅が確保できて建て替えができるようになる場合があります。その場合、お隣にとっては土地の価値が上がる話になるため、条件がまとまりやすいことがあります。ただし、相手のご事情次第ですし、ご近所付き合いの中での交渉になるため、進めづらいと感じる方も多い方法です。

2. 建て替えできるようにする道がないか調べる

すべての土地で可能なわけではありませんが、道が残っている場合があります。たとえば、道路の中心から一定の距離だけ敷地を後退させる(セットバック)ことで条件を満たせるケース、隣地の一部を買い足して接道幅を確保できるケース、建築基準法第43条の許可・認定という制度を使える可能性があるケースなどです。これは物件ごとの調査が必要で、一般論では判断できません。役所の建築指導課で相談できます。

3. 仲介で、一般の買主を探す

不動産会社に仲介を依頼し、買ってくれる方を探す方法です。ただし、住宅ローンが使いにくい物件のため、買主は現金で購入できる方に限られやすく、時間がかかる傾向があります。長期間売れずに、価格を下げ続けることになる場合もあります。

4. 買取業者に直接売る

買主を探すのではなく、不動産会社が直接買い取る方法です。買主探しがない分、話が早く進みやすいこと、現状のまま(解体や残置物の片付けをせずに)引き渡せることが多いのが利点です。一方で、仲介で買主が見つかった場合に比べると、金額は低くなるのが一般的です。ここは隠さずお伝えします。時間と手間を取るか、金額を取るか、という選択になります。

「建て替えできない」と言われても、確認する価値があること

実際にご相談を受けていて、少なくない頻度で出会うのが、「本当に再建築不可なのか、確定していない」というケースです。人づてに聞いただけ、昔そう言われた記憶がある、という段階のまま何年も過ぎている。あるいは、隣の土地も同じご家族が所有していて、2つを一緒に扱えば接道の条件を満たす可能性があるのに、別々の土地として考えていた、というケースもあります。

条例は自治体ごとに違い、法改正もあります。「建て替えできない前提」で価値を低く見積もったまま手放してしまうのは、もったいない話です。まずは、その土地が本当にどういう状態なのかを確定させることをおすすめします。

まとめ

  • 「建て替えができない」の原因は、ほとんどが土地と道路の関係(接道義務)にある。
  • 今の建物に住み続けることはできる。できないのは壊して建て直すこと。
  • 放置しても固定資産税はかかり続け、建物は古くなり、いずれ相続で次の世代に渡る。
  • 売る方法は、隣地への売却・再建築可能にする・仲介・買取の4つ。それぞれ長所と短所がある。
  • そもそも本当に再建築不可なのか、隣地と一体にできないか、確認する価値はある。

当社は、再建築不可物件の買取に対応しています(再建築不可物件の買取は、東京都内を対象としています)。まだ売ると決めていない、状況を整理したいだけ、という段階でも構いません。ご相談・査定は無料で、査定額にご納得いただけなければお断りいただいて問題ありません。買取をお受けできない場合も、その理由を正直にお伝えします。

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→ 再建築不可物件は本当に売れないのか。売却できる4つの方法
→ 再建築不可物件の相場はいくらか。正直に言えること・言えないこと

公開日:2026年8月12日

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代表取締役 宮本隆太郎

このページの監修者

宮本 隆太郎縁リアルエステート株式会社 代表取締役

宅地建物取引業 東京都知事(1)第112660号/東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー27F。再建築不可・空き家・訳あり物件・共有持分など、売りづらい不動産の直接買取を専門としています。ご相談・査定は無料です。

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