コラム|再建築不可
再建築不可物件の相場はいくらか。
正直に言えること・言えないこと。
「だいたいいくらになるのか、目安だけでも知りたい」。当然のお気持ちだと思います。ただ、不動産会社としてこの問いに誠実に答えようとすると、「相場という形ではお出しできません」と申し上げるほかありません。逃げているように聞こえるかもしれませんので、なぜそうなのかを、包み隠さずご説明します。
2026年8月12日|縁リアルエステート株式会社
ネットでよく見る「更地価格の5〜7割」について
再建築不可物件の相場を調べると、「更地価格の5割から7割程度」といった数字を目にすることがあります。この数字自体は、多くの取引を大まかに眺めたときの目安として語られているもので、まったくの出まかせというわけではありません。
ただ、この数字をご自分の土地に当てはめて考えるのは、おすすめしません。理由は単純で、再建築不可物件は一つひとつの条件の違いが大きすぎて、平均値がほとんど意味を持たないからです。同じ「再建築不可」でも、接道の状況が数十センチ違うだけで、扱いも金額もまったく変わります。平均気温を知っても、その日に何を着るべきかは分からないのと同じです。
金額を左右する、5つの条件
では実際、何を見て金額が決まるのか。主なものを挙げます。ご自分の土地について考えるときの手がかりにしてください。
1. 本当に再建築できないのか、可能性が残っているのか
ここが最も大きく効きます。セットバックや、建築基準法第43条の許可・認定などによって建てられる可能性が残っている土地と、どうやっても建てられない土地とでは、評価がまったく違います。「再建築不可だと聞いている」という段階のまま、確定していないケースは珍しくありません。
2. 道路にどう接しているか
接している幅が何メートルか。前の道が建築基準法上の道路なのか、単なる通路なのか。私道の場合、その持ち主は誰で、通行や掘削(水道管などを引くための工事)の承諾は得られるのか。この承諾の有無だけでも、評価は変わります。
3. 建物が使える状態かどうか
建て替えができない以上、今建っている建物をそのまま使えるかどうかが重要になります。雨漏りやシロアリの有無、傾き、給排水の状態。逆に、建物を解体してしまうと使い道が大きく狭まるため、「更地にしてから相談しよう」と考えるのは、多くの場合おすすめできません。
4. 隣の土地との関係
隣地と一体にすれば接道条件を満たせる場合、その土地の価値は大きく変わります。隣の方が買い足す意思をお持ちかどうか、境界がはっきりしているかどうか、越境(塀や屋根がはみ出している)がないかどうか。これらは現地と資料を見なければ分かりません。
5. 場所と、その土地の需要
同じ条件でも、駅からの距離や周辺の街の様子によって、活用の道が残っているかどうかが変わります。
だから、電話口で金額を申し上げないのです
以上のような条件を確認せずに金額を申し上げることは、当社ではしていません。その場で言える数字は、あとで必ず変わるからです。
「まず高い金額を伝えて話を進め、契約の直前になって理由をつけて下げる」というやり方が、残念ながらこの業界には存在します。売主の方が他社を断ってしまったあとで下げれば、応じざるを得ない。そういう構図です。私たちは、最初に言った数字を守れる状態になってから、数字を申し上げます。そのために、先に確認させていただくのです。
同じ理由で、「どこよりも高く買います」といった言い方も当社ではいたしません。物件を見る前に他社より高いと分かるはずがなく、そう言った時点で根拠のない約束になるからです。
金額をお出しするまでに、私たちが見ること
- ご住所と、お手元にある資料(登記簿、公図、測量図など。なくても構いません)
- 役所での確認 ── 前面道路の種別、接道の状況、その自治体の条例
- 現地の確認 ── 建物の状態、通路の幅と長さ、隣地との関係、越境の有無
- 売却後の使い道の検討 ── 誰にとって価値のある土地になるか
ここまで確認したうえで、金額と、その根拠をあわせてご説明します。ご納得いただけなければ、お断りいただいて構いません。買取をお受けできないという結論になることもありますが、その場合も理由を正直にお伝えします。
ご自分でも、先に調べられること
「不動産会社に連絡する前に、自分で状況を把握しておきたい」という方は、市区町村の役所の建築指導課(自治体によって名称が異なります)で、その土地の前面道路の種別と接道の状況を確認できます。無料で、所有者ご本人でなくても相談できる場合が多いです。ここではっきりするのは「建てられるか、建てられないか」であって金額ではありませんが、話の出発点がはっきりします。
まとめ
- 「更地価格の5〜7割」という目安は存在するが、個別の土地に当てはめて考えるのは危険。
- 金額は、再建築の可能性・接道の状況・建物の状態・隣地との関係・場所で大きく変わる。
- 建物を先に解体してしまうと、選択肢が狭まることが多い。
- 確認せずに出した金額は、あとで必ず変わる。だから当社は先に確認する。
- 役所の建築指導課で、ご自分でも状況を確認できる。
当社は、再建築不可物件の買取に対応しています(再建築不可物件の買取は、東京都内を対象としています)。査定は無料です。売ると決めていない段階でも、状況の整理のためにお使いいただいて構いません。
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公開日:2026年8月12日
金額の根拠まで、ご説明します
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